エゾイワナの王国へ 中編[フライフィッシング/夏旅2015]
- 2015/08/23
- 13:38

8/17(月) 午後
渇水で魚の消えたM川を後にし、僕らはA川支流上流へと向かった。
ここは連続する堰堤によって海と隔てられた川だが、友人によると5年前は堰堤下のプールにイワナが群れていたという。
ところが、そのプールにもイワナの姿は無かった。そしてここも水が極端に少ない。
過去の気象を見るとここ最近は雨が全く降っておらず、状況はどの渓も悪いのかもしれない。
やはりダメか、という落胆が僕らの気分を沈める。

が、僕らは一応念のため堰堤帯の上も見てみた。
すると堰堤下に比べて水量が多い。
昨日のS川や今朝のM川もそうだが、どうやらこの辺り、流れが平たくなると直ぐに水が伏流するようだ。しかし渓流相のエリアでは水量が回復するから、おそらく森の状態と川がかなり密接に関わっているのだろう。
流れの中に足を踏み入れると、すぐに黒い影が走った。いる。
さっそく2番7ftのロッドを準備して、フライは14番ライツロイヤル。
入渓してすぐの落ち込みに慎重にキャスト。
そしてライツロイヤルが白泡の脇に出た瞬間、音もなく消えた。
まさか、と思いすかさずアワせをいれる。グググっ、と強い手応えがあり、ロッドティップが絞られる。
手繰り寄せると25cmほどのエゾイワナだったが、ネットに収める前にハリを外された。
いるんだ、こんなところで生き残っていたんだ。僕らは感動して少し呆然としていた。
先に我に返った友人が、次、次と急かす。

同じ落ち込みですぐに2尾目が釣れた。
そしてその後、たった30分か40分の間にさらに5尾を追加。区間にして200mくらいだろうか。
そのあまりの魚の多さと警戒心の無さに、僕は少し怖くなった。
イワナって、こんなに釣れて良いものだろうか。
13時を少し過ぎて、朝からどら焼しか食べていなかった僕らはいったん渓を後にした。
焦りはなかった。
だって、渓には人の足跡も、釣り人の痕跡も何一つないのだから。
帰路の林道で、僕はこんなに凄い渓は今まで見たことがないと熱っぽく友人に語った。
けれどそれは、イブニングタイムに待っていたさらなる驚愕の前では、ほんの序章でしかなかった。
続く。
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