前回。
斜面を這い上がっていると、目的の登山道から足音が聞こえてきました。
いやまあ、冷静に考えれば登山者なんですが、先ほどイノシシを目撃したこともあって敏感になっていた僕は、内心ではちょっと不安。
動物が人間に気付かない状態で接近すると、向こうも焦って攻撃してくるかもしれない。
そこで僕は大きな声でも出すか手を叩くなりすればよかったのですが、何故か気配を殺すように登山道から慎重に頭を出しました。
おっかなびっくりしてしまったけれど、そこにいたのはもちろん登山者。
二人連れのその登山者も、驚いていたようでした。
「大丈夫か?!ケガないか?」
「さっきまでどしゃ降りだったし、気を付けないと下手したら死ぬよ」
なんて声をかけてくれる。
釣りをしない登山者にとっては雨後の渓流は避けた方が無難なポイントなので、この反応は自然です。
しかしどうもやたら心配してくれます。
二人とは下山方向が同じだったので、同じ歩調で話ながら歩きました。
聞くと、どうやら二人は斜面から突然現れた僕を見て、「仲間とはぐれて沢に転げ落ちた大学生」か何かだと思ったそうです。
言われると、確かに僕の格好は一見では山遊びっぽくはない。
化繊のジャージスラックスにシャンブレーシャツでしたから、これなら「迂闊な学生が遭難しかかってやっとこさ沢から這い上がってきた」と思われても仕方ないかもしれません。
普段はもっとみすぼらしい格好をしているので、山に住み着いた浮浪者だと思われて済むはずなんですが、今回はちょっと小綺麗にしすぎました。
お二人はこの辺の山に色々行かれているようで、駅までの道中に情報交換など出来ました。
Kさん、Tさん、ありがとうございました。

駅の近くでコーヒーを淹れていると、また雲行きが怪しくなってきました。
3人でコーヒーを飲んでいるとポツポツと、そして電車に乗った頃にはまたどしゃ降りに。
あと30分下山が遅ければ、またびしょ濡れになるところでしたね。

夕方頃、西の空に切れ目ができたりもしましたが、土曜は終日雨または曇り。
それでも気持ちよい沢登りができ、良い人達との出会いもあり、素晴らしい1日になりました。
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